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けて復動式とし吐出量の増大と脈動の減少を図ったものが使われている。
プランジャ式ポンプの吐出量は基本的にはプランジャ径、ストローク、回転数の相剰積で表されるが、弁リフトや弁の慣性などの影響を受け、回転数がある一定回転以上になると急激にポンプ効率が低下して吐出量が増加せず頭打ちとなる特性があるため高速機関には殆ど使用されていない。又この方式のポンプは間欠的に水を押し出すため圧力が脈動し、特に出口側通路の抵抗が大きいとき、又は吐出量が増大すると大きな圧力波を生じウォータハンマ現象を起こしポンプ効率が大幅に低下すると共に、水通路の弱い箇所に亀裂を生じることがある。このため一般には空気室(エアーベッセル)を設けて脈動圧力波を緩衝させているほか、水圧調整用の安全弁を設けて、瞬間的に高い圧力を逃がしたり、ペット弁を取り付けて空気室に空気を吸い込ませて脈動の低減を図っている。
(点検と整備について)
(イ)プランジャの外径とシリンダの内径を計測し、スキマが使用限度を超える場合はスリーブを作成して挿入する。
(口)弁及び弁座の当たりを点検し異常が有れば修正又は交換する。
(ハ)弁と弁案内の摩耗、及び弁バネの損耗、べたり、折損などを点検し異常が有れば交換する。

 

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2・103図プランジャ式ポンプ

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2・104図同左ポンプの分室部

(2)清水冷却器及び清水タンク
清水冷却機関の清水は冷却水ポンプにより各部を循環し、熱を受けるため高温となり、そのままでは蒸発してしまい冷却できなくなるため熱交換機で清水を冷却する必要がある。舶用機関の場合は熱交換器に海水を通して清水を冷却する方法が一般的に用いられている。
熱交換器の構造は潤滑油冷却器と同じであり、潤滑油の通路が清水の通路となっている。点検整備も全く同様である。熱交換器の故障についてはチューブの腐食による穴あきや拡管部の強み、ロー付け部のはずれや亀裂などによる清水洩れがある。

 

 

 

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